武田室長からの今月のアドバイス 塾選び
志望校別トレーニングの落とし穴
お問い合わせいただいたときに
「学校が決まっていないけど、塾に行ってもいいものでしょうか?」
と、おっしゃる方々が多くて驚いてしまいます。
はじめは教育環境を整えたい、漠然と受験をしたいという思いで、お子様のためにお教室探しをなさるのだと思います。
そのときには、まだ、どこの学校を受けるのかということは決まっていないのが当たり前と思っています。
でも、塾によっては問い合わせの電話をすると、「どこの学校がご希望ですか?」と、聞かれてしい、戸惑ってしまうのだそうです。
いろいろなお教室でそのような質問をするので、こちらへくるお問い合わせが、学校が決まっていないのに塾に行ってもいいのかどうかという質問なるのだと思われます。
何かの理由があって、はっきりと志望校が限定される方もいらっしゃるとは思いますが、ほとんどのケースは憧れがあっても、どの学校が子供や家庭にあっているのかどうかも含めて、子供の成長の様子をみながら、様々な学校情報についてもいろいろと調べていきながらだんだんと絞っていくものと考えています。
ですから、教室の側からどこを希望しているのかを入塾のお問い合わせのときに聞くのは、聞かれたほうも困るのだろうと思うのです。
「志望校を決めてから、その学校だけに合うトレーニングを行うのが合理的」というものがありますが、限定した学校に対してだけ合理的に対策することには、落とし穴があると思われます。希望して志望校のトレーニングをしても、志望校別のクラスの方全員が合格できるというものではないからです。
小学校受験は学校を決めてから、その学校の過去問など対策をするだけではなく、子供のすべての可能性を伸ばしながらその子の水準を高めていくものだと考えます。
学校側としては、家庭でのしつけ、言語能力、運動能力、協調性、指示行動などがバランスよく水準の高いお子さんをどの学校もほしいと考えているので、水準の高い子は違うタイプの学校であっても有名校含め多数合格をいただけるのです。
実際の受験では、一校だけを受験するケースは少ないものです。何校か受験するとなると、第一志望のトレーニングよりも、まんべんなくバランスのとれたトレーニングが大切になります。
まずはお子様の水準を高め基礎をしっかりと身に着けることが最優先で、学校別の過去問対策・研究はもっとあとでもよいと思います。